【2025年12月2日現在】「Sales」と名前がついているCopilotについてまとめてみた

※こちらの記事は「なんでもCopilot Advent Calendar 2025」の2日目です。
営業向けCopilotの謎を解明するため、我々調査隊はインターネットの奥地へと向かった――。

全体像

2025年12月2日現在の情報は下記です。


歴史もざっくりとまとめてみました。
記事の後半部分では、それぞれ何ができるのかをザックリ見ていきます!


Sales in Microsoft 365 Copilot(旧称:Copilot for Sales)

概要:CRM(DynamicsまたはSalesforce)と接続して使う営業専用のCopilotです。
2025年11月に、「Microsoft 365 Copilot for Sales」から「Sales in Microsoft 365 Copilot」に名称が変更となりました。
機能:Outlookを利用してメールを作成する際、CRMに記載されている取引先・案件情報を踏まえた下書きを作成してくれます。また、Teamsの会議後に会議ノートをCRMに保存するなど、CRMとMicrosoft 365の連携をスムーズにしてくれます。さらに、過去の活動から「次はこうすれば良いのでは」といったインサイト(洞察)を提示してくれます。位置づけとしては、後述のSales Chatや、各種エージェントを包括するプラットフォームと言えます。

メリット:営業の時間短縮と生産性向上に繋がると考えます。日々多くの営業活動を行う営業にとって、過去に行った全ての活動や案件を記憶するのは不可能です。特に、前任から引き継いだ顧客であれば尚更です。「Sales in Microsoft 365 Copilot」を使うことで、CRMに蓄積されている情報に、普段使っているOutlookやTeamsからアクセスできます。その結果、時間短縮のみならず、商談準備の質向上に伴う生産性向上が実現し、営業成績の向上に寄与し得ると考えます。
注意点:CRMと接続するため、CRMに蓄積されている情報は、正しく最新である必要があります。また、Salesforceを使っている場合、管理者はMicrosoft Power Platformがブロックされていないことを確認する必要があります(Salesforceの「Connected Apps OAuth Usage」ページでステータスを確認できます)。
始め方:インストールと設定には、Microsoft 365の管理者ロールが必要です。

Sales Agent

概要:「自律的に営業活動を行ってくれるエージェント」です。
機能:リード(潜在的な顧客)の優先度付けに加え、フォローアップまで自律的に行います。重要度の低い小口リードについては、人手を介さず最終成約まで完了させることも可能です。
メリット:営業の時間短縮と生産性向上に繋がると考えます。見込み顧客を取りこぼさないことで案件の勝率が高まり、結果として、営業成績の向上に寄与し得ると考えます。
注意点:2025年12月2日現在、サポートしている言語は英語のみです。
始め方:セットアップが必要です。詳細はこちらの記事をご参照ください→Sales Agent のセットアップ (プレビュー) | Microsoft Learn

Sales Development Agent

概要:Microsoft Ignite 2025で発表されました。「24時間働き続けてくれるインサイドセールスのエージェント」です。
機能:私の解釈ですが、前述した「Sales Agent」のコンセプトを更に推し進めたエージェントと言えると考えます。事前の設定とガイドラインさえ与えれば、24時間休むことなく、自律的に動き続けることができます。
メリット:Sales Agentに比べると、リード(見込み顧客)を発掘するインサイドセールスにより特化したエージェントと言えます。同じくMicrosoft Ignite 2025で発表されたAgent 365という基盤と連携するため、より厳格な統制下で運用可能である点もメリットと言えるでしょう。
注意点:後述の通り、2025年12月現在、利用開始にはFrontierプログラムに登録する必要があります。
始め方:2025年12月、Frontierプログラムでプレビュー開始となります。一般提供(GA)時期は、2025年12月2日時点では未定です。

Sales Chat

概要:「営業チーム専用のCopilotチャット」です。
機能:営業が質問をすることで、CRMのデータ・メール・チャット・Web上の公開情報を横断的に分析し、回答してくれます。(質問の例:「明日の商談に必要な情報を教えてください」)
メリット:Sales in Microsoft 365 Copilotで書いた内容と同様です。営業の時間短縮と生産性向上に繋がると考えます。
注意点:Sales in Microsoft 365 Copilotで書いた内容と同様です。CRMに蓄積されている情報は、正しく最新である必要があります。また、2025年12月2日現在、プレビューです。
始め方:「Sales in Microsoft 365 Copilot」を有効にすると、開始できます。

Sales Research Agent

概要:「Dynamics 365 Sales向けのリサーチ特化エージェント」です。
機能:販売データの高度分析と、意思決定支援ができます。CRMに蓄積された膨大なデータを分析し、「ブループリント」と呼ばれるレポートを生成します。「作業の表示」オプションを使うと、エージェントがどのデータを根拠にどのような推論を行ったかも確認できます。
メリット:いち営業担当者というより、営業マネージャーや営業企画に携わる人向けの機能だと感じます。営業戦略の立案支援に有益でしょう。
注意点:2025年12月2日現在、プレビューです。また、2025年12月2日現在、米国とEUでのみ使用できます。2025年12月2日現在、サポートしている言語は英語のみです。
始め方:管理者が設定する必要があります。詳細はこちらの記事をご参照ください→Sales Research Agent の設定と構成 (プレビュー) | Microsoft Learn

まとめ

「Sales」と名前が付くCopilotをまとめてみました。
営業としては心が躍るサービスなだけに、日本語対応が進めば嬉しいと感じました。

より詳しく知りたい方は、以下の情報もご参照ください。

●Microsoft Ignite 2025におけるセッション
10分32秒~:Sales Agentのデモ、27分51秒~:Sales Development Agentの紹介動画


●Sales Development Agentについてまとめた記事


●各種サービスのFAQページ

Sales in Microsoft 365 Copilot:https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-sales-copilot/sales-m365-copilot-faq
Sales Agent:https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-sales-copilot/faqs-sales-agent
Sales Chat:https://learn.microsoft.com/ja-jp/dynamics365/sales/microsoft-365-copilot-for-sales
Sales Research Agent:https://learn.microsoft.com/ja-jp/dynamics365/sales/faqs-sales-research-agent

※Sales in Microsoft 365 Copilotのみ、英語のページのURLを記載しております。日本語ページは和訳のゆらぎにより、少し分かりにくいと感じたためです。上記ページを、ブラウザの機能により翻訳ください。