
非エンジニアの営業マンが、営業部長のリマインド工数をPower Automateで削減してみました。
【もくじ】
そもそものキッカケ
営業部長の仕事を、少しでもラクにできたらと思ったのがキッカケです。
プレイングマネージャーとして日々忙しそうにしている中、
メンバーの入力作業の進捗確認やリマインドまで、ほぼ独力で行っていました。
「何かラクにできたらいいな」という思いで、
CopilotやらPythonやらでできる業務効率化のイメージを送ったところ、
以下のメールが届きました。

「何としても期待に応えて、部長の仕事をラクにしなければ!」
そう思った私は、営業部長が何をイメージしているのか、
何ができればラクになるのかをまず聞くことにしてみました。
実装前:イメージのすり合わせ
メールや1on1の時間を使い、何ができればラクなのかを聞いてみることにしました。
ここで意識したのは、以下2点です。
①「面倒くさいから、まぁいいや」とならないようにすること
②実現困難なリクエストが出た際は、否定せず「Xは難しいですがYは可能です」と代案を提示すること
特に、①は強く意識しました。
いちメンバーである自分よりも遥かに忙しい営業部長が
極力頭と時間を使わず済むよう、細心の注意を払いました。
実際のやり取りの一部分を、以下に記します。
●西から部長に送ったメール
営業部長が何をイメージしているかを明確にした後、
「誰に・いつ・何を」リマインドするかを確認しました。


●部長から西に届いたメール
そこまで多くのラリーや手戻りは発生せず、
「とりあえずやってみよう!」と連絡いただきました。

ということで、下記のリマインドメールを送ることで着地しました。
☑タイミング:毎週木曜日 12時
☑対象者:所属する営業部のメンバー全員
☑リマインド内容:週次の活動件数の記録、CRMの更新
実装:Power Automateを使ってラクラク実装
ここからは、実際どのように実装したかを記載します。
実装内容は、「Power Automate(※)を使って、リマインドメールを自動で送信するフローの作成」です。
(※)Power Automate:Microsoft Power Automate – Process Automation プラットフォーム | Microsoft
率直な感想としては、思ったより非常にカンタンでした。
ほとんど知識や経験がない自分でも、ゼロから30分でできました。
経験を少しでもお持ちの方であれば、5分でできると思います。
STEP1:Power Automateのトップ画面から「+作成」をクリックする

STEP2:「スケジュール済みクラウドフロー」をクリックする

STEP3:頻度を指定する
以下の画像では、「毎週木曜日」に送ってください、と指定しています。

時間の指定もできます。
以下の画像では、「12時」と指定しています。

日本に居住している人であれば問題なさそうですが、
タイムゾーン(Time Zone)も適切か、念のために確認しておいてください。
STEP4:メーラーを指定して、メール内容を設定する
頻度を指定した後、「+」ボタン→「アクションの追加」をクリックします。

次に、使用しているメーラーからメールを送るアクションを選択します。
以下の画像では、Outlookからメールを送るアクションを選択しようとしています。

詳細は以下の画像を参照しつつ、ポチポチと設定ください。

STEP5:完成!保存してテストしましょう
これで、Power Automateのフローは完成です。

右上の画面にある「保存」ボタンで、キッチリ保存しましょう。
ちゃんと動作するかは、「テスト」ボタンでも試してみることができます。

実装後:効果、運用面でのTips
以上、Power Automateを使用したリマインドの自動化でした。
効果ですが、自動化で全て解決、とまではいかないものの、確実な効果はありました。
当初目指していた、「営業部長による(人力での)リマインド工数の削減」は達成されたと考えます。
運用面でのTipsですが、形骸化しないよう役職者を巻き込む、ことが大事だと感じます。
今回のケースでは、営業部長その人ですね。
この手の自動リマインドは、残念ながら容易に形骸化します。
恥ずかしながら、私が実装した頃は、びっくりするほど簡単に形骸化しました。
要は、リマインドメールを見ずにスルーする人が多かった、ということです。
(営業は日々膨大な数のメールや電話が届くため、気持ちは痛いほど分かります)
それを避けるために、部長から「そもそもスルーしないでください」、「見たら一言で良いのでレスポンスしましょう」と号令がありました。
その甲斐あって、「メールを見たらスルーせず行動→レスポンス」がうまく回り、
結果として部長が人力で確認する工数はかなり削減されたと感じています。
体制変更やリマインド内容の変更に伴う、リマインドメールのマイナーチェンジも
Power Automateであればカンタンに実現できます。
(現に、フローを実装してから3~4度、軽い変更を施しています)
人力でのリマインドに疲れ果てている方がいらっしゃれば、
Power Automateでの自動化にチャレンジしてはいかがでしょうか。