【読書レポート】強者に勝つためには戦略を考えよう―”David and Goliath”の紹介―

※この記事は、「2025年の”推し”本 Advent Calendar 2025」22日目です。
自分が人生で最も影響を受けた本の1つである書籍を再度読み返してみました。
日本ではあまり知られていない書籍だと思い、この記事で紹介します。

“David and Goliath”とは

今回紹介する本はこちら。
『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』という名前で日本語訳も出ていますが、原題は”David and Goliath”です。


“David and Goliath”とは、旧約聖書に出てくる「ダビデとゴリアテ」です。
「ダビデ」は、ミケランジェロのダビデ像で知られる人物です。
「ゴリアテ」は、ダビデと対峙した巨漢の戦士です。

体格で勝るゴリアテに対して、スピードで勝るダビデは遠距離から投石器(スリング)でゴリアテに勝利しました。

一見不利に見える戦いにどうやって勝つのか―
この書籍では、具体例や逸話を多く含めつつ、その質問に対する回答が雄弁に語られています。

真っ向勝負せず強みを活かせるフィールドで戦う

「強者には真っ向勝負してはいけない」

書籍の題材となったダビデが真っ向勝負でゴリアテに挑んでも、勝ち目はなかったでしょう。

また、戦い(闘い)の歴史を紐解いても、似たようなケースは沢山あります。
桶狭間の戦い、ベトナム戦争など…。
奇襲やゲリラ戦なしには、敗北し早期制圧されていたでしょう。

格闘技が好きな私は、昔K-1を中心に活躍したボブ・サップを思い出します。
彼は格闘技経験が浅いものの、アメフト仕込みの圧倒的なフィジカルでリング内外で活躍し、お茶の間のスターになりました。
K-1の歴史に残る伝説のキックボクサーであるアーネスト・ホーストを、キックボクシングの教科書にはないパワー頼りの破天荒さでKOします。

敗北はしたものの、総合格闘技の試合経験がない状態で、当時最強クラスの総合格闘家だったノゲイラを窮地に追い込みもしました。
(以下の動画では、ボブ・サップ vs ノゲイラ戦が語られています)


ただそんなボブ・サップも、打撃の怖さを知り、中途半端にテクニックを学んだことで一気に失速します。
恐れを知らずフィジカル全開で猪突猛進する彼の強みは失われ、敗北を重ねることになりました。
テクニックという土俵で戦わず、圧倒的なフィジカルというユニークな武器で挑んだときの方が良い戦績だったことは、示唆に富みます。

自分を客観視し弱さを受け入れることから始まる

私がこの本を初めて読んだキッカケは、大学卒業後の出来事です。
運良く(運悪く?)たまたまコンサル会社に入ってしまい、優秀な同期や先輩社員を見て、痛感しました。

「この人たちには、頭脳で真っ向勝負しても勝てるはずがない」
「あまりにもスペックが違いすぎる」

在学中には成績優秀で表彰されたこともあったのですが、井の中の蛙だったことは入社後すぐに気づきました。
当たり前のように東大卒や京大卒がゴロゴロしており、同期での雑談についていくことすらできなかったのを鮮明に覚えています。

「私は持たざるもの側である」
入社前はちっぽけなプライドを持っていたのですが、そんなプライドは捨てることにしました。
“David and Goliath”を読んで、そんなプライドを捨てないと土俵にすら立てないことに気づきました。
自分を客観視し、弱さを受け入れることは全てのスタートだと思います。

結局コンサル会社ではまともな成果を出せず早期離職することとなりますが、自他が予想したよりは長い期間在籍し、周りから認められた時期もありました。
プライドを放棄し、「ダビデ」側に徹したことが功を奏したと考えます。

戦うフィールドや戦い方を考えよう

「あの人は凄いな…とても勝てないな…」

様々な局面で、このように感じることは多いと思います。
そんなときは、真っ向勝負せず、自分の強みが活きるフィールドや戦い方を考えましょう。
工夫次第で、勝ち方や価値発揮の仕方は、いくらでも考えられるはずです。

・入社してから日が浅く、社内ルールがイマイチよく分かっていない。
→質問することで社内のパワーバランスを推察する。強い人の力を借りて仕事を進める。
・単純な技術力では、どうやっても勝てない人がいる。
→プリセールスなど、その人が不得意とする領域で戦う。
・営業職であり、ITコミュニティにおいて最弱クラスの知識量である。…★
→営業×コミュニティという稀有なフィールドを作る。場づくりに徹する。

なお、最後(★)は現在の私です。
「営業職につき技術力も知識も足りていない」という圧倒的なディスアドバンテージを、かえって強みに変えようとしています。

まとめ:強者ばかりの環境で悩む方は是非!

ということで。
自分より強い人たちに囲まれていて悩んでいる方は、ぜひ!
勇気が出るだけでなく、具体的にどうしたら良いかを考えることができます。

先ほど書いたように、日本語訳も出ています。
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